便利な未読数を、なぜNagooFeedでは表示しないのか。情報を消化するのではなく、好きなWebとの出会いを楽しむための設計について書きました。
RSSリーダーには、未読記事の件数を表示する機能がよくあります。
「未読 25件」「未読 120件」といった数字です。
どれだけ記事がたまっているのか一目で分かる便利な機能ですが、私が開発しているRSSリーダー「NagooFeed」では、あえて未読数を表示していません。
今回は、その理由について書いてみようと思います。
RSSリーダーを使っていると、登録したサイトから次々と新しい記事が届きます。
未読数が表示されていると、どうしてもその数字が気になります。
未読が10件なら、全部読んでしまおう。
50件なら、少しずつ減らしていこう。
100件を超えたら、もう全部既読にしてしまおう。
気づけば、記事を読むことよりも、未読数を減らすことが目的になってしまいます。
もちろん、未読数は便利な機能です。仕事で必要な情報を漏れなく確認したい場合などには、役立つと思います。
ただ、私がRSSリーダーに求めているものは、少し違いました。
私は、Webサイトを眺めることが好きです。
ニュースサイトを開いて、気になる記事を見つける。
記事を読んでいるうちに別の話題が気になって、また違うページへ移動する。
特に目的もなく眺めていたのに、思いがけず面白い情報に出会う。
そんなWebサーフィンが好きです。
そこで考えました。
Webサーフィンをしているとき、未読の記事が何件あるかなんて気にしていないな、と。
読みたい記事があれば読むし、なければページを閉じる。
昨日の記事を全部読んでいなくても、何も困りません。
RSSリーダーも、そんな使い方でいいのではないかと思いました。
RSSは、複数のWebサイトの更新情報をまとめて取得できる便利な仕組みです。
私も、好きなサイトの記事を一つの画面で見られることに魅力を感じています。
ただ、便利だからといって、効率よく情報を処理することばかりを考えたくはありませんでした。
たくさんの記事を読む必要もなければ、すべての更新を把握する必要もありません。
自分で選んだサイトの記事が並んでいて、その中から面白そうなものを見つける。
それだけで十分楽しいと思うのです。
情報を消化する場所ではなく、情報との出会いを楽しむ場所にしたい。
それがNagooFeedの基本的な考え方です。
NagooFeedでは、登録した複数のサイトの記事をカード形式で一覧表示しています。
記事を一つずつ確認していく必要はありません。
画面を眺めながら、気になった記事だけを開けばいい。
読みたい記事がなければ、そのまま閉じても構いません。
また、あとで読み返したい記事は保存できるようにしています。
全部を読む必要はないけれど、気になった記事は残しておきたい。
そんな使い方を想定しています。
未読数を表示しないことで、少なくとも「まだこんなに読んでいない」という数字を意識せずに済みます。
小さな違いかもしれませんが、私はこの違いを大切にしています。
個人開発をしていると、いろいろな機能を追加したくなります。
未読数の表示も、RSSリーダーとしては自然な機能の一つです。
しかし、機能を追加すれば必ず使いやすくなるとは限りません。
何かを便利にする機能が、別の何かを窮屈にしてしまうこともあります。
だからこそ、NagooFeedでは「何を追加するか」だけでなく、「何を表示しないか」も大切にしたいと考えています。
もちろん、未読数が必要な人もいると思います。
すべての記事を確認したい人にとっては、未読管理が充実したRSSリーダーの方が使いやすいでしょう。
NagooFeedは、そうした使い方を否定するものではありません。
ただ、私はもう少し気楽にWebを楽しめるRSSリーダーを作りたいのです。
NagooFeedを開いたときに感じてほしいのは、
「まだこんなに読んでいない」
ではなく、
「今日は何か面白い記事があるかな」
という気持ちです。
そして、気になる記事が見つかれば読む。
見つからなければ、また明日開けばいい。
そんな気軽なWebサーフィンの楽しさを、RSSリーダーでも実現したいと思っています。
全部読まなくていい。気になるものだけ眺めればいい。
これからも、そんなRSSリーダーとしてNagooFeedを育てていきたいと思います。